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空き家を背景に査定書類とチェックリストを確認する机上

公開:2026-08-13更新:2026-08-14

空き家買取業者の選び方と注意点|免許確認から契約まで

空き家の買取を依頼する不動産会社をどう選べばよいか分からない方へ。宅建業免許の確認方法、相見積もりの取り方、訪問買取で注意すべき点、契約書の確認事項をまとめて解説します。

1空き家買取業者選びで後悔しないために、最初に知っておくこと

実家などの空き家を「そのまま買い取ってほしい」と考えたとき、多くの方が最初に迷うのが「どの不動産会社に依頼すればよいか」という点です。買取であれば仲介のように買主を探す期間を待たずに済みますが、依頼先を誤ると、提示額の根拠があいまいなまま契約を急かされたり、契約後に想定外の条件を持ち出されたりするトラブルにつながることもあります。

インターネットで検索すると「高額買取」「無料査定」を掲げる会社が多数見つかりますが、宣伝文句だけで判断するのは避けたいところです。空き家の買取を依頼する不動産会社を選ぶ際には、①適法に営業している会社かどうか、②見積もり(査定)の内訳が明確かどうか、③契約書の内容に不明な点がないか、という3つの視点で確認することが基本になります。

この記事では、空き家の買取業者を選ぶ際に確認すべき免許・資格、相見積もりの取り方、訪問買取で注意すべき点、契約前のチェックポイントを順番に解説します。解体業者選びと共通する「許可の確認」「相見積もり」「契約書確認」という視点を踏まえつつ、買取特有の免許制度や訪問買取の注意点を中心に整理しています。

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2空き家の買取に必要な免許を確認する(宅建業免許)

空き家などの不動産を売買する事業を行うには、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業(宅建業)の免許が必要です。空き家を自ら買い取る会社(買取業者)も、不動産の売買を「自ら売買」として業として行う以上、この免許の対象になります[1]。免許は事業を行う都道府県内にのみ事務所を設ける場合は都道府県知事免許、複数の都道府県に事務所を設ける場合は国土交通大臣免許のいずれかとなります。

免許の有無・免許番号を確認する方法

査定を依頼する会社の名刺や会社案内、ウェブサイトには、通常「〇〇県知事(1)第◯◯◯号」のような免許番号が記載されています。この番号が実在するか、更新が続いているかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で検索して確認できます[1]。免許番号の提示を渋る、または検索しても該当がない会社への依頼は避けるべきです。

免許以外に確認したい点

免許の有無に加えて、宅地建物取引士(宅建士)が契約の重要事項説明を行う体制になっているか、会社の本店所在地・設立年・実績が確認できるかも、あわせて確認しておくと安心です。査定額の提示だけでなく、会社の実在性・継続性を確認する視点を持つことが、後悔しない業者選びの土台になります。

3空き家買取業者に確認すべき項目一覧

確認項目確認方法確認する理由
宅建業免許の有無・免許番号名刺・会社案内の免許番号を国交省の検索システムで確認免許のない会社は不動産の売買を業として行えないため
会社の本店所在地・実在性会社ウェブサイト・登記情報・検索システムの登録情報を確認連絡先が携帯電話のみ等、実在があいまいな会社を避けるため
査定額の算出根拠査定書に立地・築年数・建物状態など内訳の説明があるか確認根拠のない高額提示や後日の減額提示を避けるため
契約書の独自解除条項の有無法律上の一般的なクーリング・オフは買取に適用されないため、契約書面に会社独自の解除条項があるか確認法定の解除権がない前提で、契約前に十分検討する時間を確保するため
契約解除・違約金の条件契約書の解除条項・違約金の有無と金額を確認契約後に条件変更を迫られた際の対応を把握するため

※ 各制度の詳細・最新情報は国土交通省または各都道府県の宅建業担当窓口でご確認ください。

出典:国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」および宅地建物取引業法に基づき編集部作成

4相見積もりの取り方と比較するポイント

空き家の買取価格は会社によって差が出やすいため、1社だけの提示額で決めるのではなく、複数社から見積もり(査定)を取って比較することをおすすめします。

相見積もりを取る際の手順

①同じ条件で査定を依頼する:物件情報(面積、築年数、接道状況、現状の残置物の有無など)をできるだけ同じ内容で複数社に伝え、条件をそろえて比較しましょう。

②現地確認の有無を確認する:机上査定(書類のみ)と現地査定(実際に建物を見た上での査定)では精度が異なります。最終的な契約額に近い数字を知りたい場合は、現地査定を依頼しましょう。

③査定額の内訳・根拠を確認する:「なぜこの金額になるのか」を説明できる会社かどうかを確認しましょう。立地・建物状態・接道条件など、金額の理由を具体的に説明できない会社は、後日の減額提示につながる可能性があります。

④極端に高い・低い提示額に注意する:他社より大きく高い金額を提示する会社の中には、契約後に「詳細調査の結果」として金額を下げる提示をしてくるケースもあります。提示額の根拠を必ず確認しましょう。

比較の際に確認したい追加項目

  • 残置物(家具・家電など)の処分費用を買取価格に含めるか、別途費用がかかるか
  • 契約から引き渡し・代金支払いまでの期間の目安
  • 仲介ではなく自社で買い取る「直接買取」か、他の買主を探す前提の提案かどうか

5訪問買取・悪質業者を見抜くチェックリスト

空き家の買取では、会社側が自宅や空き家を訪問して査定・契約の説明を行う「訪問買取」の形式が取られることもあります。訪問買取そのものが問題というわけではありませんが、契約を急かされる、内容を十分に理解できないまま署名してしまうといったトラブルが起こりやすい形式でもあるため、注意が必要です。

契約前の危険サイン

□ 免許番号の提示を渋る、または確認を求めると態度が変わる

□ 「今すぐ決めれば高く買い取る」など契約を不当に急かしてくる

□ 査定額の根拠を説明せず、金額の提示のみで契約を迫る

□ 契約書の控えをその場で渡さない、または後日送付すると言って渡さない

□ 会社所在地が不明確で、連絡先が携帯電話のみ

訪問買取とクーリング・オフに関する注意点

消費者が自宅等で契約する訪問販売・訪問購入については、特定商取引法により契約書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができる制度がありますが、不動産(土地・建物)の取引は宅地建物取引業法の対象であるため、この特定商取引法の「訪問購入」規定の適用対象にはならないとされています[2]

また、宅地建物取引業法37条の2にも「事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等」というクーリング・オフの規定がありますが、これは宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買契約について、買主を保護するための制度です[3]。空き家の買取は、所有者が売主・宅建業者が買主となる取引であり、この保護の対象とは方向が逆になるため、37条の2のクーリング・オフも適用されません[3]。つまり、空き家の買取契約には、法律で保障された一般的なクーリング・オフ制度は基本的に存在しないと考えておく必要があります。

そのため、契約書に会社が独自に解除条項を設けているかどうかは個別に確認しつつ、それを前提にせず、その場で即決・署名しないことが何より重要です。不安な点や契約内容に納得できない点がある場合は、一度持ち帰って検討する時間を確保しましょう。トラブルに発展しそうな場合や、契約後に不安を感じた場合は、消費者ホットライン(電話188)にかけると地域の消費生活センターにつながり、相談できます[4]

6契約書で確認すべき項目と署名前のポイント

買取業者と正式に契約する前に、契約書に記載された内容を丁寧に確認しましょう。口頭でのやり取りだけでは、後でトラブルになる可能性があります。

契約書の必須確認事項

①買取価格と支払い方法:買取価格、支払いのタイミング(契約時・引き渡し時など)、手付金の有無を確認しましょう。

②引き渡し条件:残置物の処分をどちらが行うか、引き渡し日までに何を済ませておく必要があるかを確認しましょう。

③契約解除・違約金の条件:契約後に解除する場合の条件と違約金の有無・金額を確認しましょう。

④独自の解除条項の有無:空き家の買取には法律上の一般的なクーリング・オフが適用されないため、契約書に会社独自の解除条項があるかを確認しましょう。

⑤瑕疵(不具合)に関する取り扱い:建物の不具合が後日判明した場合の取り扱いについて、契約書にどのように記載されているかを確認しましょう。

特約・口頭約束の書面化

口頭で「残置物も含めて買い取る」「引き渡しまでの期間を延ばしてもらえる」などと話し合った内容は、必ず契約書または覚書に追記して双方が署名・押印しましょう。口頭の約束は後から「言った・言わない」のトラブルの原因になります。

相続が関わる場合の注意点

相続した空き家を買い取ってもらう場合、売買契約の前提として相続登記(不動産の名義変更)が必要になるのが一般的です。相続登記は2024年4月1日から義務化されており[5]、名義がまだ相続人のものになっていない場合は、買取業者への相談と並行して登記の手続きを進める必要があります。

7よくある質問

Q1空き家の買取業者を探す方法として、どのような手段がありますか?
A

主な方法としては、①不動産の一括査定サービスを利用して複数社に同時に査定を依頼する、②自治体の空き家相談窓口で紹介を受ける、③地元の不動産会社に直接相談する、④知人からの紹介を利用するなどがあります。どの方法でも、最終的には個別に宅建業免許の有無を確認することが必要です。

Q2宅建業免許を持っているかどうかは、どこで確認できますか?
A

国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、会社名や免許番号を入力して検索できます[1]。査定の際に受け取った名刺や会社案内に記載されている免許番号を、このシステムで照合しておくと安心です。

Q3訪問買取で契約した場合、クーリング・オフはできますか?
A

基本的にできません。特定商取引法の「訪問購入」には書面受領日から8日以内のクーリング・オフ制度がありますが、不動産の取引は宅地建物取引業法の対象であるため、この規定の適用対象にはなりません[2]。また、宅建業法37条の2にもクーリング・オフの規定がありますが、これは宅建業者が「自ら売主」となる場合の買主保護の制度であり、空き家の買取(所有者が売主・業者が買主)はこの逆の関係になるため対象外です[3]。したがって、空き家の買取契約には法律上の一般的なクーリング・オフは存在しないと考え、契約前によく検討し、その場で即決しないことが重要です。会社が独自に解除条項を設けている場合もあるため、その有無は契約書面で個別に確認してください。

Q4相続した空き家の場合、相続登記が済んでいないと買取してもらえませんか?
A

買取業者への査定依頼自体は名義変更前でも相談できますが、実際に売買契約を結ぶには相続登記(名義変更)を済ませておく必要があるのが一般的です。相続登記は2024年4月1日から義務化されているため[5]、買取を検討する段階で登記の状況も確認しておきましょう。

Q5査定額が他社より大幅に高い会社を選んでも問題ありませんか?
A

提示額の根拠を必ず確認してください。立地・築年数・建物状態などの説明が具体的にできる会社であれば安心材料になりますが、根拠が不明確なまま高額を提示された場合、契約後に「詳細調査の結果」として金額を下げられるケースも見られます。金額だけでなく、説明の具体性や免許の有無も含めて総合的に判断しましょう。

Q6買取業者とのトラブルに不安がある場合、どこに相談すればよいですか?
A

契約内容や訪問買取の進め方に不安がある場合は、消費者ホットライン(電話188)にかけると、最寄りの消費生活センターや相談窓口に案内してもらえます[4]。契約前・契約後どちらの段階でも相談できるため、迷いがある時点で早めに利用することをお勧めします。

8まとめ:空き家買取業者選びは免許確認・見積もり内訳・契約書の三点確認が基本

空き家の買取業者を選ぶ際のポイントを整理します。

①免許の確認:宅地建物取引業の免許番号を国土交通省の検索システムで確認し、会社の実在性・実績も併せて確認しましょう[1]

②相見積もりと内訳確認:複数社から査定を取り、金額だけでなく査定の根拠・残置物の扱い・引き渡しまでの期間を比較しましょう。

③契約書の確認:空き家の買取には法律上の一般的なクーリング・オフが適用されないため[2][3]、契約書に独自の解除条項があるかを確認しつつ、その場で即決せず持ち帰って検討する時間を確保し、契約解除の条件や瑕疵に関する取り扱いも書面で確認した上で署名しましょう。

空き家の買取は一度きりの大きな判断です。宣伝文句だけで選ぶのではなく、免許・査定根拠・契約内容を一つひとつ確認する姿勢が、後悔のない業者選びにつながります。不安な点がある場合は、契約前に一度立ち止まり、消費者ホットラインなどの相談窓口も活用しながら慎重に進めることをお勧めします[4]

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参考資料

  1. [1] 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム / 国土交通省 / 2025-04-01

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000037.html

    根拠: 空き家などの不動産を仲介・代理・自ら売買する事業を行うには宅地建物取引業(宅建業)の免許が必要、免許の有無・免許番号は国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で検索できる

  2. [2] 訪問購入 - 特定商取引法ガイド / 消費者庁 / 2017-12-01

    原典URL: https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorpurchases/

    根拠: 特定商取引法の「訪問購入」では書面受領日から8日以内はクーリング・オフができるが、不動産は宅地建物取引業法の対象であるためこの規定の適用対象にはならない

  3. [3] 宅地建物取引業法 / e-Gov法令検索 / 2024-06-01

    原典URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176

    根拠: 宅建業法37条の2のクーリング・オフは、宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買契約で、事務所等以外の場所で買受けの申込み・契約をした買主を保護する制度であり、買主が宅建業者の場合は適用されない、空き家の買取は所有者が売主・宅建業者が買主となる取引のため、37条の2の買主保護の対象外である

  4. [4] 消費者ホットライン / 消費者庁 / 2026-04-01

    原典URL: https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

    根拠: 契約や訪問買取のトラブルで不安があるときは消費者ホットライン(電話188)で地域の消費生活センターにつながる

  5. [5] 相続登記の申請義務化について / 法務省

    原典URL: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

    根拠: 相続登記は2024年4月1日から義務化された

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

愛知県名古屋市出身。現在は鹿児島県屋久島町在住。京都大学農学部卒業後、セキスイハイム中部株式会社で住宅営業に従事し、最優秀営業賞を受賞。2011年に株式会社クラッソーネを創業し、代表取締役CEOに就任。解体工事のDXや空き家問題の解決に取り組むとともに、全国空き家対策コンソーシアム代表理事として、自治体や企業と連携した空き家対策を推進している。

著者:クラッソーネ(別ウィンドウで開きます)編集部