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コラム一覧/空き家活用の補助金にはどんな種類がある?リフォーム・賃貸化を後押しする制度
リフォームされ活用される古い日本家屋と自治体窓口の書類をイメージしたメインビジュアル

公開:2026-07-15

空き家活用の補助金にはどんな種類がある?リフォーム・賃貸化を後押しする制度

空き家を「壊す」のではなく「活かす」ために使える補助金を整理。空き家バンク登録の支援金、賃貸化・リフォームの改修補助、古民家再生や移住定住促進とセットの制度、家財処分費用の補助まで、自治体窓口の探し方とあわせて解説します。

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1. 空き家活用の補助金は「解体補助金」と何が違うのか

「実家の空き家、解体せずに活かせないか」と考えたとき、まず気になるのが補助金の存在ではないでしょうか。空き家に関する補助金というと、老朽建物を取り壊す「解体補助金」を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、自治体の制度にはもう一つの系統があります。それが、建物を壊さずに賃貸や移住先として活かすことを後押しする「活用系の補助金」です。

解体補助金は建物を除却する費用の一部を補助する制度で、空き家を手放す・更地にする前提の支援です。一方、この記事で扱う活用系の補助金は、空き家バンクへの登録、賃貸に出すためのリフォーム、古民家として再生する改修など、建物を残したまま使い続けることを条件とする点が大きく異なります。

制度の有無・対象条件・補助額は自治体によって大きく異なり、全国一律の基準はありません。国土交通省が運営に関わる全国版空き家・空き地バンクの総合情報ページでも、空き家バンクは市区町村が個別に登録・運営する仕組みであることが説明されています。この記事では、活用を前提とした補助金にどのような種類があるかを整理し、窓口の探し方まで確認していきます。

2. 空き家バンク登録に伴う自治体の支援金

空き家バンクは、空き家を売りたい・貸したい所有者と、購入・入居を希望する人をつなぐ自治体の登録制度です。国土交通省の全国版空き家・空き地バンク総合情報ページでは、多くの市区町村がこの仕組みを運営し、横断的に物件情報を検索できることが紹介されています。

空き家バンクそのものは物件情報を掲載するマッチングの仕組みであり、登録自体に補助金が必ず伴うわけではありません。ただし、自治体によっては、空き家バンクへの登録や成約を条件に、次のような独自の支援金を設けているケースがあります。

  • 空き家バンク登録奨励金(登録時に一定額を支給する自治体がある)
  • 空き家バンク成約奨励金(バンク経由で売買・賃貸契約が成立した場合に支給)
  • 登録前の家財片付け・清掃費用の一部補助

これらの支援金は制度の有無・金額・対象条件が自治体ごとに大きく異なります。「空き家バンクに登録すれば必ずもらえる」制度ではない点に注意し、利用を検討する場合は物件所在地の自治体の空き家対策窓口に、登録要件とあわせて確認することが確実です。

3. 賃貸化のためのリフォーム・改修補助金

空き家を賃貸住宅として貸し出す場合、老朽化した設備や耐震性の低い建物のままでは入居者を確保しにくいことがあります。こうした賃貸化に向けた改修を後押しするため、リフォーム費用の一部を補助する制度を設けている自治体があります。

代表的な対象工事の例としては、①水回り(キッチン・浴室・トイレ)の改修、②耐震診断・耐震改修、③断熱・省エネ改修、④外壁・屋根の修繕などが挙げられます。補助率や上限額は「工事費の一部、上限〇〇万円」という形で設定されていることが多く、賃貸活用を条件とする場合と、居住用・賃貸用を問わない場合とで制度が分かれていることもあります。

重要なのは、多くの制度で「工事着手前の事前申請」が必須とされている点です。先にリフォームを発注してしまうと、対象外になる場合があります。賃貸化を考えている段階で、早めに自治体の建築住宅課や空き家対策担当課に相談し、対象工事の範囲と申請のタイミングを確認しておくことをおすすめします。

4. 解体前提の補助金と活用前提の補助金の違い(編集部の整理)

観点解体補助金(壊す前提)活用系補助金(活かす前提)
建物の扱い取り壊して除却する建物を残し、賃貸・移住先等として使い続ける
代表的な対象解体工事費、危険ブロック塀等の撤去費空き家バンク登録・成約支援、賃貸化リフォーム費、古民家再生費、家財処分費の一部
主な窓口空き家対策担当課、建築住宅課空き家対策担当課、移住・定住促進担当課
申請タイミングの傾向着工前の申請が必要なことが多い登録・契約・着工前の申請が必要なことが多い

※ 自治体によって制度の名称・対象・要件は異なります。この表は解体前提と活用前提という制度の性格の違いを理解するための編集部の整理であり、特定の自治体の制度内容を示すものではありません。(編集部の整理)

出典:国土交通省 空き家・空き地バンク総合情報ページ等の制度説明を参照し、対比の整理は編集部が作成

5. 古民家再生・移住定住促進とセットになった活用系補助金

地方部を中心に、空き家を移住者の受け皿として活用してもらうことを目的にした補助金もあります。人口減少や地域の担い手不足に対応するため、移住・定住促進の施策と空き家活用施策を組み合わせている自治体が少なくありません。

よく見られる制度の例としては、①移住者が空き家を購入・賃借して改修する場合の改修費補助、②伝統的な建築様式を持つ古民家の再生・保存を目的とした改修費補助、③空き家バンク経由で移住した世帯への引っ越し費用や家財処分費用の一部補助、などが挙げられます。これらは「移住」「定住」「一定期間の居住継続」を条件とすることが多く、短期間で転居・転売した場合に補助金の返還を求められる制度もあります。

古民家再生を目的とした改修補助は、一般的なリフォーム補助よりも対象工事の範囲や仕様の条件が細かく定められていることがあります。歴史的な景観保全を目的とする制度では、外観や工法に制約がつく場合もあるため、着工前に自治体の担当課と仕様のすり合わせを行うことが重要です。

6. 家財処分費用の一部補助・その他の活用系支援

空き家を活用に回す前段階として、残置された家財の片付けが必要になることがよくあります。家財が残ったままでは賃貸募集や空き家バンクへの登録が進めにくいため、片付け・処分費用の一部を補助する制度を設けている自治体もあります。

このほか、活用を前提とした支援としては、①空き家の状態を確認するための現地調査・インスペクション費用の補助、②活用計画の作成を支援する専門家(建築士・不動産事業者等)への相談費用の補助、③空き家の管理状態を維持するための応急的な修繕費補助、なども見られます。いずれも解体を前提とせず、次の使い道(賃貸・売却・移住者への提供など)につなげるための支援である点が共通しています。

こうした支援は制度名や対象範囲が自治体ごとに大きく異なり、実施していない自治体も多くあります。「うちの自治体にもあるはず」と決めつけず、まずは窓口に制度の有無を確認するところから始めるのが安全です。

7. 活用系補助金の窓口はどこか。相談の進め方

解体補助金の多くは空き家対策担当課や建築住宅課が窓口になりますが、活用を前提とした補助金は、これに加えて移住・定住促進担当課が窓口になっていることが多い点が特徴です。空き家バンクの運営自体を移住定住担当課が所管している自治体もあり、どの課に相談すればよいか分かりにくい場合があります。

相談を進める際の一般的な流れは次のとおりです。

①物件所在地の市区町村ホームページで「空き家バンク」「空き家 活用 補助金」等のキーワードから該当ページを探す

②該当ページが見当たらない場合は、代表電話から空き家対策担当課または移住・定住促進担当課に問い合わせる

③活用したい方向性(賃貸化・売却・移住者への提供など)を伝え、対象になり得る制度の有無を確認する

④対象制度がある場合、申請時期(登録前・契約前・着工前など)と必要書類を確認する

⑤家財が残っている場合は、片付け・処分の進め方もあわせて相談する

制度の有無や内容は年度ごとに見直されることもあるため、「以前調べたときはなかった」という場合も、あらためて確認する価値があります。

8. よくある質問

Q空き家バンクに登録すれば、必ず補助金がもらえますか?

A空き家バンクへの登録自体に補助金が必ず伴うわけではありません。登録奨励金や成約奨励金を設けている自治体もありますが、制度の有無・金額は自治体ごとに異なります。所在地の窓口で確認してください。

Q賃貸化のリフォーム補助金は、すでに着工した工事にも使えますか?

A多くの制度で着工前の事前申請が条件とされています。工事を発注する前に、自治体の建築住宅課や空き家対策担当課に対象工事の範囲と申請時期を確認することをおすすめします。

Q古民家再生の補助金は、一般的なリフォーム補助と何が違いますか?

A古民家再生を目的とした補助金は、移住定住促進や歴史的景観の保全とセットで実施されることが多く、対象工事の範囲や仕様に制約がつく場合があります。一般的なリフォーム補助より条件が細かいことがあるため、着工前に仕様のすり合わせが必要です。

Q家財が残っている場合、処分費用にも補助金は使えますか?

A家財の片付け・処分費用の一部を補助する制度を設けている自治体もありますが、実施していない自治体も多くあります。空き家を活用に回す前段階の支援として、窓口で有無を確認してください。

Q解体前提の補助金と活用前提の補助金、両方の対象になることはありますか?

A建物を解体するか活用するかで制度の前提が異なるため、通常は同時に両方の対象にはなりません。まず解体するか活かすかの方針を決めたうえで、該当する窓口に相談することをおすすめします。

Qどの課に問い合わせればよいか分かりません。

A解体を前提とした制度は空き家対策担当課や建築住宅課が窓口になることが多く、活用を前提とした制度は移住・定住促進担当課が窓口を兼ねていることもあります。まずは代表電話から空き家対策担当課に問い合わせ、案内してもらう方法が確実です。

9. あわせて読みたい関連記事

10. まとめ:活用系の補助金は「壊さず活かす」前提で自治体窓口に確認する

空き家に関する補助金には、建物を取り壊す解体補助金だけでなく、空き家バンク登録の支援金、賃貸化のためのリフォーム補助、古民家再生や移住定住促進とセットの活用系補助金、家財処分費用の一部補助など、「活かす」ための制度も存在します。これらは自治体ごとに制度名・対象条件・補助額が大きく異なり、実施していない自治体もあるため、全国一律の制度として考えないことが大切です。

活用系の補助金は、空き家対策担当課に加えて移住・定住促進担当課が窓口になっていることも多く、どちらに相談すればよいか迷う場合は、まず物件所在地の空き家対策担当課に問い合わせるところから始めるとよいでしょう。登録・契約・着工の前に申請が必要な制度が多いため、活用の方向性が固まった段階で早めに窓口へ相談することをおすすめします。解体を選択肢として検討する場合は、解体補助金の記事もあわせてご確認ください。

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参考資料

  1. 空き家・空き地バンク総合情報ページ / 国土交通省

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html

    根拠: 全国版空き家・空き地バンクは市区町村が登録・運営する仕組みで、自治体ごとに登録要件や支援内容が異なる、空き家バンクへの登録や成約に合わせて、改修費・家財処分費などの独自支援を設ける自治体がある

  2. 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

    原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

    根拠: 2023年時点の全国の空き家数は約900万戸で過去最多、空き家率は13.8%

  3. 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を! / 政府広報オンライン / 2024-09-19

    原典URL: https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html

    根拠: 空き家の活用や適切な管理に向けた対策強化が国レベルで進められている

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

空き家先生 川口哲平(監修)

全国空き家対策コンソーシアム 代表理事 / 株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO

空き家先生のX

経歴

空き家先生・全国空き家対策コンソーシアム代表理事・クラッソーネCEO。名古屋出身、京都大学卒業後、セキスイハイムを経てクラッソーネを設立。その後、全国空き家対策コンソーシアムを設立。

著者:クラッソーネ編集部