クラッソーネ家じまいコラム
コラム一覧/空き家が売れない…どうしたら?仲介で動かない物件の次の一手
売れにくい築古の空き家と売却資料をイメージしたメインビジュアル

公開:2026-04-10更新:2026-07-29

空き家が売れない…どうしたら?仲介で動かない物件の次の一手

仲介に出しても売れない空き家には理由があります。築年数・立地・権利関係など売れない原因を整理し、維持コストの実態と買取という選択肢がなぜ有効なのかを具体的なデータとともに解説します。

LINE公式アカウント

LINEで家じまいの相談をはじめる

友だち追加後、チャットで相談できます。

LINEで友だち追加

1仲介で売れない空き家に多い3つの理由

空き家が仲介で売れない主な原因は次の3つです。

①築年数が古い:国土交通省の指針でも、中古戸建て住宅は築後20〜25年ほどで建物の市場価値がほぼゼロと評価される慣行が指摘されており[1]、築30年を超える木造住宅ではその傾向がより強まります。建物評価がほぼゼロになると、買い手はリフォーム費用(数百万円規模)を自己負担することになります。これを嫌い、条件の良い新築・築浅物件へ流れる買い手が多数です。

②立地が厳しい:駅から徒歩30分超・過疎地・道路付けが悪い物件は、仲介業者がポータルサイトに掲載しても反響が集まりにくく、売れ残りやすい傾向があります。国土交通省の地価調査でも地域ごとの動向差が示されており、全国平均だけでの判断は危険です。

③権利関係が複雑:相続登記が未了のまま放置されている物件は、売主が複数人に分散しており、全員の合意が必要なため交渉が難航します。半年以上売れ残っている場合は、仲介以外の手段を検討するサインです。

2空き家の年間維持コスト内訳(一般的な目安)

  • 固定資産税・都市計画税8 万円/年
  • 火災保険料3 万円/年
  • 草刈り・清掃・管理5 万円/年
  • 最低限の修繕費10 万円/年

※ 延床面積120㎡(約36坪)程度の木造戸建てを想定した試算例。固定資産税評価額・建物状態・管理頻度・地域条件によって変動します。

出典:総務省 令和5年住宅・土地統計調査(2023年調査)を基に編集部作成

3売れない期間が長いほど損失は膨らむ

上のグラフの試算例のとおり、空き家には固定資産税・保険料・管理費などで年間数十万円規模の維持コストがかかるのが一般的です。仲介での売却が長引くほど、その分の維持費がそのまま積み上がっていきます。さらに建物は劣化し続けるため、長く保有するほど買取査定額も下がる傾向があります。「もう少し待てば高く売れる」という判断が、結果的に手取り額を減らすリスクがある点に注意が必要です。

4データで見る「売れない空き家」の現状

賃貸・売却用以外の「その他の空き家」は349万戸(2023年調査)で過去最多。その多くが老朽化した木造戸建てで、流通しないまま放置されている。統計表はe-Statでも公表されている。

出典:総務省 住宅・土地統計調査(2023年)

5売却方法別・成約までの目安期間(条件不利な物件の場合)

  • 仲介(条件不利な物件)12 ヶ月
  • 仲介(条件良好な物件)3 ヶ月
  • 買取業者1 ヶ月

※ 編集部による目安値。実際の期間は物件条件・エリア需要・買い手の与信状況により大きく異なります。REINSの公開統計を参考にした編集部の評価です。

出典:東日本不動産流通機構(REINS) 公開データライブラリを参考に編集部作成

6買取が「売れない空き家」の有力な選択肢になる理由

買取業者は築古・過疎地・現状渡しの物件でも購入対象とするケースが多く、仲介では売れない物件でも査定を出してもらえます。仲介と違い広告掲載や内覧対応が不要なため、仲介に比べて短期間で現金化しやすい点も特徴です。価格は仲介相場より低くなることが多いですが、維持コストや時間的損失を加味すると、総合的な手取り額で差がつきにくいケースも少なくありません。

7解体せずそのまま売れる?現状渡し買取のポイント

買取の大きなメリットのひとつが、片付けや解体をせずに「現状渡し」で売却できる点です。遺品整理や解体工事にはまとまった費用がかかることがありますが、買取業者はそれらのコストを織り込んだ上で価格を提示するため、売主が費用を立て替える必要がありません。「荷物が残ったまま」「雨漏りがある」「シロアリ被害がある」という状態でも査定対象になります。

8よくある質問

Q1仲介と買取を同時に進めることはできますか?
A

可能です。仲介で売却活動を続けながら、並行して買取業者に査定を依頼することを「並行活動」と呼びます。仲介で買い手が見つかれば仲介で成約し、見つからなければ買取に切り替えるという戦略が取れます。

Q2相続登記が完了していなくても買取してもらえますか?
A

買取業者によっては、相続登記の手続きをサポートしてくれるケースがあります。登記費用を売買代金から精算する形で対応できる業者も存在するため、まずは相談してみることをおすすめします。

Q3築古の空き家は解体してから売るべきですか?
A

立地や土地需要によります。更地の方が買い手を見つけやすい地域もありますが、解体費用を売却価格で回収しにくいケースもあります。解体前に、古家付きのままの査定、解体後の査定、現状渡し買取の3パターンを比較してください。

Q4価格を下げても反響がない場合はどうすればいいですか?
A

価格だけでなく、残置物、接道、雨漏り、再建築可否、相続登記など買い手が不安に感じる点を確認します。改善費用が大きい場合は、仲介を続けるより現状渡し買取へ切り替えた方が総コストを抑えやすいことがあります。

Q5買取価格の相場はどのくらいですか?
A

買取価格は仲介による売却より低くなるのが一般的ですが、具体的な水準は立地・築年数・状態によって大きく異なります。複数の業者から見積もりを取ることで、より条件の良い査定額を引き出せる可能性があります。

9あわせて読みたい関連記事

10まとめ:売れない空き家は「待つ」より「動く」が正解

仲介で動かない空き家は、時間が経つほど維持コストが積み上がり、建物の劣化も進みます。まずは買取業者に無料査定を依頼し、仲介との差額と維持コストを比較した上で判断することをおすすめします。売れない状況を放置するより、早期に選択肢を広げることが最終的な手取り額を守ることにつながります。

家じまいのお役立ちサービス

LINE公式アカウント

次に進むなら、LINEで家じまい相談

迷ったままにせず、まずは友だち追加で相談の一歩を。

LINEで友だち追加

参考資料

  1. 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

    原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

    根拠: 賃貸・売却用以外のその他の空き家は349万戸

  2. e-Stat 令和5年住宅・土地統計調査(統計表ファイル一覧) / 政府統計の総合窓口 e-Stat / 2025-09-30

    原典URL: https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tstat=000001207800

    根拠: 令和5年住宅・土地統計調査の統計表はe-Statで公開されている、空き家関連データの引用時は調査年の明示が必要

  3. 平成29年都道府県地価調査の概要 / 国土交通省 土地・建設産業局 / 2017-09-19

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000047.html

    根拠: 地価動向は地域差があり、売却判断では所在地の需給確認が必要、地方圏住宅地は下落継続でも下落幅縮小傾向という整理が示されている

  4. 建築・住宅関係統計データ / 国土交通省

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jutaku_list.html

    根拠: 国土交通省は建築・住宅関係統計を体系的に公開している、空き家所有者実態調査など、流通停滞の背景把握に役立つ統計導線がある

  5. REINS 公開統計・データライブラリ / 東日本不動産流通機構(REINS)

    原典URL: https://www.reins.or.jp/library/

    根拠: 売却方法別の目安期間比較は不動産流通機構の公開統計導線を基に整理した、仲介と買取の期間差は公開データを参照しつつ編集部が目安値として可視化した

  6. [1] 「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」の策定について / 国土交通省 土地・建設産業局不動産業課、住宅局住宅政策課 / 2014-03-31

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000101.html

    根拠: 中古戸建て住宅は築後20〜25年ほどで建物の市場価値がほぼゼロと評価される慣行がある

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

愛知県名古屋市出身。現在は鹿児島県屋久島町在住。京都大学農学部卒業後、セキスイハイム中部株式会社で住宅営業に従事し、最優秀営業賞を受賞。2011年に株式会社クラッソーネを創業し、代表取締役CEOに就任。解体工事のDXや空き家問題の解決に取り組むとともに、全国空き家対策コンソーシアム代表理事として、自治体や企業と連携した空き家対策を推進している。

著者:クラッソーネ(別ウィンドウで開きます)編集部