クラッソーネ家じまいコラム
コラム一覧/遠方の空き家を管理する方法|委託・訪問・処分を費用で比較(放置リスクも解説)
遠方の空き家管理と点検をイメージした日本家屋の玄関まわりの写真

公開:2026-06-08更新:2026-08-03

遠方の空き家を管理する方法|委託・訪問・処分を費用で比較(放置リスクも解説)

遠方の空き家、管理を放置すると「管理不全空き家」に指定され固定資産税の特例が外れる可能性があります。管理委託・定期訪問・早期処分の3つを費用・手間で比較し、今すぐ決めるべきことを整理します。

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1遠方の空き家を管理する方法は3つ(結論を先に)

遠方の空き家を放置すると、「管理不全空き家」に指定され固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があります[1]。管理方法は大きく「①管理委託」「②定期訪問」「③早期処分」の3つに整理できます。①は管理会社やプラン内容によって費用が異なる継続的な費用を払って手間を第三者に任せる方法、②は費用を抑えられる一方で交通費・宿泊費と移動負担がかかる方法、③は売却・買取・解体によって継続的な管理そのものをなくす方法です。

遠方から最初にやることは4つです。まず月1回を目安に誰が点検するかを決め、次に近隣や自治体、管理会社へ緊急時の連絡先を共有します。自分で通えない場合は巡回・通風・郵便確認・写真報告を含む管理委託を検討し、今後使う予定が薄いなら売却・買取・解体の判断時期も同時に決めておきます。

相続や転居によって遠方に空き家を抱えるケースは、年々増えています。移動に長時間を要する立地では、定期的な訪問が現実的でなくなりやすく、劣化や不法侵入、近隣トラブルに気づくのが遅れる場合があります。以下でそれぞれの費用・手間・リスクを比較し、自分の状況に合った方針を検討していきます。

2遠方空き家の管理方法別・年間費用の比較(試算例)

  • 管理委託24 万円/年
  • 定期訪問(自己)18 万円/年
  • 早期処分(売却・買取)0 万円/年

※ 管理委託は月2万円、定期訪問は交通費・宿泊費等で年18万円、早期処分後の継続管理費は0円と置いた比較例です。実際の費用は距離、巡回頻度、建物状態、委託内容により異なります。

出典:制度改正・管理リスクは政府広報オンラインを参照。費用条件・数値は編集部の比較用仮定

3①管理委託:手間を減らせる反面、継続費用がかかる

空き家管理サービスや不動産会社への委託費用は、管理会社やプラン内容(巡回頻度・対応範囲)によって幅があります。サービス内容は事業者によって異なりますが、定期巡回・通風・郵便物の確認・異常報告などが含まれる場合があります。遠方でも自分で動かずに済む点は大きなメリットですが、建物の修繕費は別途発生することが一般的です。

4②定期訪問:コストは抑えられるが移動負担が大きい

自分や家族が定期的に訪問する場合、交通費・宿泊費・時間的コストがかかります。新幹線や飛行機を使う距離では、訪問の頻度や移動手段によって往復交通費の負担が大きくなるケースもあります。訪問のたびに草刈りや通風・通水などの作業も必要になることが多く、体力的・時間的な負担が積み重なりやすい傾向があります。将来的に訪問が困難になるリスクも考慮する必要があります。

5③早期処分:費用ゼロで手放せる可能性がある選択肢

売却・買取・解体のいずれかで早期に処分することで、継続的な管理コストをなくせる場合があります。不動産市場での売却が難しい立地であっても、不動産買取業者に相談すると買取に応じてもらえることもあります。ただし、売却価格や条件は物件・立地・タイミングによって大きく異なります。解体を選ぶ場合は建物の構造・規模・立地に応じた解体費用が発生しますが、固定資産税の軽減措置が外れるリスクも含めて検討が必要です。

6空き家対策の強化と管理義務の高まり

「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の改正により、管理不全な空き家への行政指導・勧告・命令が強化されました。管理が行き届かない空き家は「管理不全空き家」に指定される場合があり、固定資産税の住宅用地特例が適用外となる可能性があります。遠方であっても、所有者としての管理責任は問われます。

73つの選択肢を費用・手間・リスクで整理する

管理委託は継続費用がかかる一方で手間を省けます。定期訪問は費用を抑えられる反面、移動負担と将来的な継続困難リスクがあります。早期処分は継続コストがなくなりますが、売却・解体の手続きと初期対応が必要です。どの選択肢が合うかは、物件の状態・立地・将来の利用意向・家族の状況によって異なります。まずは3つの選択肢を並べて比較し、現時点でできることから検討を始めることをお勧めします。

8管理委託を選ぶ際に確認しておきたいポイント

管理委託を選ぶ場合は、サービス内容・巡回頻度・報告方法・解約条件を事前に確認することが大切です。業者によっては「外観確認のみ」「室内まで確認」「緊急対応あり」など、対応範囲が大きく異なります。複数の業者から見積もりを取り、対応範囲と費用のバランスを比較することをお勧めします。また、建物の修繕が必要になった際に対応してもらえるかどうかも確認しておくと安心です。

9売却・買取を検討する際の流れ

遠方の空き家を売却・買取で処分する場合、まず現地の不動産会社や買取業者に査定を依頼するところから始まります。遠方でも、オンライン査定や電話・メールでのやりとりに対応している事業者は増えています。売却の場合は仲介か買取かによって手続きや期間が異なります。買取は早期に現金化できる一方、仲介に比べて売却価格が低くなる傾向があります。どちらが適しているかは、希望するスピードと価格のバランスで判断することが多いです。

10よくある質問

Q1遠方の空き家を管理委託する際の相場はどのくらいですか?
A

管理会社やプラン内容によって費用は大きく異なります。対応エリア・サービス内容・建物の規模によっても差が出るため、複数の事業者に見積もりを依頼して比較することをお勧めします。

Q2自分で定期訪問する場合、年間いくらくらいかかりますか?
A

交通費・宿泊費・日用品・修繕費などを合わせた負担額は、距離や訪問頻度によって大きく異なります。距離が遠いほど1回あたりのコストが大きくなる傾向があります。

Q3空き家を放置すると行政から指導を受けることがありますか?
A

はい、空き家等対策特別措置法の改正により、管理不全な状態と判断された場合に行政指導・勧告・命令が行われる場合があります。「管理不全空き家」に指定されると固定資産税の優遇が外れる可能性があります。

Q4売れない空き家はどうすればよいですか?
A

仲介で売れない場合でも、不動産買取業者に相談すると買取に応じてもらえる場合があります。また、自治体の空き家バンクへの登録や、解体後の土地売却なども選択肢として検討できます。

Q5管理委託と早期処分のどちらを選べばよいですか?
A

将来的に物件を活用・居住する予定がある場合は管理委託、使う予定がなく費用負担を減らしたい場合は早期処分が適している傾向があります。ただし、物件の状態・立地・市場環境によって判断は変わります。専門家に相談しながら検討することをお勧めします。

Q6遠方の管理が難しい相続した空き家を買取してもらう手続きは?
A

相続登記を済ませたうえで[2]、買取業者に査定を依頼します。現地に何度も足を運ばなくても、書類のやり取りや代理での手続きに対応してもらえる場合があります。提示条件に納得できれば売買契約・引き渡しという流れです。税務の取り扱いは税理士に確認することをお勧めします。

11関連記事

12まとめ:遠方の空き家は「手間・費用・リスク」で選択肢を比べる

遠方の空き家管理には、①管理委託(管理会社やプランによって費用は異なる)、②自分での定期訪問(交通費等の負担が生じる場合がある)、③早期処分(売却・買取・解体)の3つの選択肢があります。管理委託は継続費用がかかりますが手間を省け、早期処分は継続コストをゼロにできる可能性があります。空き家等対策特別措置法の改正により、管理が行き届かない空き家への規制は強化されており、放置することのリスクも高まっています。自分の状況・将来の利用計画・費用負担のバランスを整理したうえで、早めに方針を決めることが大切です。

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参考資料

  1. [1] 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を! / 政府広報オンライン / 2024-09-19

    原典URL: https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html

    根拠: 空き家の適切な管理が求められる背景と、空き家対策特別措置法の強化による管理義務の高まり、管理が行き届かない空き家は「管理不全空き家」に指定される場合があり、固定資産税の住宅用地特例が適用外となる可能性がある

  2. 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

    原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

    根拠: 全国の空き家数は過去最多水準で推移しており、管理されていない空き家が社会問題化している

  3. [2] 相続登記の申請義務化について / 法務省

    原典URL: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

    根拠: 相続登記は2024年4月1日から義務化された

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

愛知県名古屋市出身。現在は鹿児島県屋久島町在住。京都大学農学部卒業後、セキスイハイム中部株式会社で住宅営業に従事し、最優秀営業賞を受賞。2011年に株式会社クラッソーネを創業し、代表取締役CEOに就任。解体工事のDXや空き家問題の解決に取り組むとともに、全国空き家対策コンソーシアム代表理事として、自治体や企業と連携した空き家対策を推進している。

著者:クラッソーネ(別ウィンドウで開きます)編集部