1田舎の実家が空き家になったら、まず何を考えるべきか
「実家が空き家になったら何から始めるべきか」という悩みは共通していますが、田舎の実家の場合は都市部と同じ手順では進まないことがあります。買い手の絶対数が少ない、車がないと管理に通えない、地域の付き合いをどう終えるかなど、田舎ならではの検討事項が加わるためです。総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%で過去最多となりました[1]。都道府県別では和歌山県・徳島県が21.2%[1]、北海道が15.6%[2]と全国平均を上回る一方、埼玉県は9.3%[3]と全国一低く、人口減少が進む地方部ほど空き家率が高くなる傾向があります。まずはこの傾向を踏まえたうえで、『管理を続ける』『空き家バンクに登録する』『売却・買取を検討する』『解体して土地として整理する』という4つの方向性のうち、自分の実家がどれに近いかを大まかに把握することから始めましょう。田舎の実家は、都市部の実家に比べて『そもそも比較対象となる事例が身近にない』という悩みも重なりやすく、判断が先延ばしになりがちです。焦って一つの方法に決め打ちするのではなく、まずは複数の選択肢を横に並べて比較できる状態を作ることが、後悔の少ない進め方につながります。
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2都道府県別の空き家率にみる都市部と地方部の差
- 全国平均13.8 %
- 埼玉県(都市近郊)9.3 %
- 北海道15.6 %
- 和歌山県21.2 %
※ 総務省 令和5年住宅・土地統計調査(2023年10月1日時点、2024年以降順次公表)の都道府県別空き家率。北海道・埼玉県の数値は各道県公式資料でも確認できます。
出典:総務省 令和5年住宅・土地統計調査(都道府県別空き家率)を基に編集部作成
3地方特有の事情:都市部の空き家と何が違うのか
田舎の空き家を検討するときは、都市部を前提にした一般論だけでは判断材料が足りません。代表的な違いは次の4点です。
①買い手の絶対数が少ない:人口減少が進む地域では、住宅を探す世帯そのものが限られます。同じ条件の物件でも、都市部より成約までの時間がかかりやすくなります。
②車が前提の公共交通:バスや鉄道の便数が少ない、または路線自体が縮小している地域では、管理に通う手段や、将来の買い手・借り手の生活動線も車移動が前提になります。立地の評価軸が都市部と異なる点に注意が必要です。
③地域コミュニティとの関係:自治会費、回覧板、地域行事の当番など、空き家になった後も近所付き合いの整理が必要になることがあります。所有者が遠方に住んでいる場合、誰がどこまで対応するかを事前に決めておくとトラブルを避けやすくなります。
④空き家バンクという選択肢:都市部にはない制度として、自治体が運営する空き家バンクがあります。移住希望者とのマッチングが期待できる一方、成約には地域差があり、時間がかかることもあります。
4除雪・獣害など、地方特有の管理負担
田舎の空き家では、都市部にはない管理負担が発生することがあります。積雪地域では、屋根や庭木にたまった雪の重みで倒壊や隣地への被害が生じるおそれがあるため、除雪や見回りの体制を考える必要があります。また、庭木や畑跡地が管理されないまま放置されると、獣(イノシシ、サル、シカなど)の隠れ場所や通り道になりやすく、近隣の農地や住宅への被害につながることもあります。こうした負担は、遠方に住む所有者が年に数回訪問するだけでは対応しきれないケースが多く、『管理を続ける』という選択肢を選ぶ場合は、地域のシルバー人材センターや管理代行サービスへの委託も含めて検討することをおすすめします。管理の手間と費用が見合わないと感じる場合は、早めに空き家バンク登録や売却・解体の検討に進んだ方が、負担を抑えやすくなります。
5クラッソーネに相談できること
『管理を続けるべきか、手放すべきか』『空き家バンクと解体、どちらを先に動くべきか』といった判断は、地域の事情によって最適解が変わります。クラッソーネでは、解体の実績とワンストップ支援を軸に、地方の空き家についても状況を伺いながら選択肢を整理するお手伝いをしています。まずはLINEで現状(所在地、築年数、利用予定の有無など)を伝えていただければ、次に確認すべきポイントを一緒に整理できます。解体費用シミュレーターや固定資産税シミュレーターを使えば、具体的な行動に移す前に概算のイメージをつかむこともできます。
6費用・手順・注意点:田舎の空き家で確認しておきたいこと
田舎の空き家を検討する際は、次の手順で進めると判断がしやすくなります。
①現状把握:固定資産税の納税通知書で評価額と課税状況を確認し、建物の傷み具合(雨漏り、シロアリ、屋根や外壁の状態)を点検します。
②管理不全のリスク確認:適切な管理がされていないと『管理不全空家等』や『特定空家等』に指定される可能性があり、指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が増えるおそれがあります。政府広報オンラインでも、空き家を放置せず適切な管理や活用を検討するよう呼びかけられています。
③選択肢の比較:管理継続、空き家バンク登録、仲介・買取での売却、解体のそれぞれについて、想定される期間と費用感を並べて比較します。空き家バンクの登録要件や自治体の補助制度は自治体ごとに異なるため、まずは対象自治体の空き家対策窓口や、国土交通省の全国版空き家・空き地バンクで情報を確認してください。
④家族との合意形成:地方の実家は複数の相続人が遠方に分散していることも多く、方針を決めるまでに時間がかかりがちです。年間の維持費と、各選択肢のおおよその期間・費用感を同じ表で共有すると、話し合いが進みやすくなります。
実際の売却可否や解体費用の目安は物件ごとの条件で大きく変わるため、詳しくは地方の空き家の解体費用はいくら?都市部との違いと補助金の活用法もあわせてご確認ください。
なお、④の解体を検討する場合は、地方では処分場までの距離や対応できる業者数が都市部と異なることがあり、費用感も変わってきます。②の空き家バンクを検討する場合は、自治体ごとに登録要件(現況、耐震性、権利関係の整理状況など)が異なるため、登録前に個別の要件を確認しておくと手戻りが少なくなります。
7よくある質問
Q1田舎の空き家は都市部より早く手放した方がよいですか?
一概には言えませんが、買い手の絶対数が少ない地域では、条件を整理して動き出すまでの期間が長引きやすい傾向があります。維持費が発生し続けることを踏まえ、早めに選択肢の比較だけでも進めておくと判断がしやすくなります。
Q2空き家バンクに登録すればすぐに売れますか?
登録すれば早期に成約するとは限りません。移住需要のある地域ではマッチングが期待できますが、成約率には地域差があり、時間がかかることもあります。売却や買取の相談と並行して登録を検討するとよいでしょう。
Q3除雪や獣害対策は自分でやらないといけませんか?
所有者自身での対応が難しい場合は、地域のシルバー人材センターや管理代行サービスへの委託も選択肢です。管理の手間と費用が見合わないと感じたら、空き家バンク登録や売却・解体の検討を前倒しすることも検討してください。
Q4地域の自治会や近所付き合いはどう整理すればよいですか?
決まった正解はありませんが、空き家になった段階で自治会に状況を伝え、当番や会費の扱いを確認しておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。将来的に手放す場合も、近隣との関係を整理してから進めるとスムーズです。
Q5田舎の空き家でも解体費用の補助金は使えますか?
自治体によって制度の有無や条件が異なります。老朽危険家屋の除却補助など、地方独自の制度を設けている自治体もあるため、対象自治体の空き家対策窓口や制度ページで確認してください。
Q6相続人が遠方に分散している場合、何から始めればよいですか?
まずは固定資産税の納税状況と建物の傷み具合を確認し、年間の維持費と各選択肢のおおよその期間・費用感を共有できる形にまとめることから始めるとよいでしょう。数字を揃えてから話し合うと、合意形成が進みやすくなります。
Q7空き家バンクへの登録と解体、どちらを先に検討すべきですか?
建物の状態が良く、移住需要が見込める地域であれば空き家バンクへの登録を先に検討する余地があります。一方、老朽化が進み再建築の見込みが薄い場合は、解体して土地として整理する方が現実的なこともあります。地域の需要と建物の状態の両方を踏まえて、どちらを先に動くか判断してください。
Q8田舎にある相続した空き家を買取してもらう手続きは?
相続登記を済ませたうえで[4]、買取業者に査定を依頼します。空き家バンクでの成約を待たずに、期限を決めて買取に切り替えることもできます。提示条件に納得できれば売買契約・引き渡しという流れです。
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9まとめ:田舎の空き家は地域特有の事情を踏まえて選択肢を比較する
田舎の実家が空き家になったときは、都市部と同じ物差しで判断せず、買い手の少なさ、公共交通、地域コミュニティとの関係、除雪や獣害への対応など、地方特有の事情を踏まえて考えることが大切です。管理継続・空き家バンク登録・売却/買取・解体のいずれを選ぶ場合も、まずは現状把握と選択肢の比較から始めましょう。判断に迷う場合は、地域の空き家対策窓口やクラッソーネのLINE相談を活用しながら、負担が積み上がる前に方針を固めることをおすすめします。









