コラム一覧/解体工事と外構撤去は一緒に頼むべき?費用・段取り・注意点を解説
古い住宅の外構(ブロック塀とカーポート)が撤去される解体工事現場

2026-06-18 更新

解体工事と外構撤去は一緒に頼むべき?費用・段取り・注意点を解説

家屋の解体と同時に外構(ブロック塀・フェンス・カーポートなど)も撤去する場合の費用・工期・注意点を解説。一括発注のメリット・デメリットと、段取りの進め方をまとめます。

1. 「外構も一緒に解体できる?」——よくある疑問を整理します

実家の解体を検討し始めると、「ブロック塀やフェンス、カーポートも同時に撤去できるのか」「一緒に頼んだ方が安いのか、それとも別々にした方がよいのか」という疑問が出てくることがあります。

外構とは、建物の外側に設けられた構造物全般を指します。具体的にはブロック塀・フェンス・カーポート(車庫屋根)・コンクリート土間・門柱・植栽・物置などが含まれます。これらは家屋本体の解体と同時に撤去することも、別途エクステリア業者や外構専門業者に依頼することもできます。

総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は900万戸・空き家率13.8%に達しており、老朽化した空き家の解体需要は増加傾向にあります。外構設備も長年手入れされずに老朽化しているケースが多く、解体工事とあわせて撤去を検討する所有者が増えています。

この記事では、解体工事と外構撤去を一緒に発注する場合のメリット・デメリット、費用の目安、段取りの進め方、注意点をまとめます。

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2. 一括発注 vs 別々発注:主な違いを比較

比較項目解体業者に一括発注解体と外構を別々に発注
費用交渉次第で外構撤去費が割安になることがある外構専門業者の方が単体費用が高くなる場合もある
手間窓口が1社で段取りがシンプル複数業者の調整が必要になる
工期家屋解体と同時進行でまとまる工程が分かれると全体が長くなりやすい
品質・専門性外構専門の技術がなく仕上がりが荒くなる場合も外構専門業者なら丁寧な仕上がりが期待できる
向いているケース更地にして売却・駐車場などにする場合外構の一部を残して活用したい場合

※ 費用差は現場条件・業者・地域によって異なります。必ず複数業者から見積もりを取って比較してください。

出典:国土交通省 建築・住宅関係統計データを参考に編集部作成

3. 外構撤去の費用目安:主な構造物ごとに確認しよう

外構の撤去費用は、構造物の種類・規模・素材・立地条件によって変わります。以下は一般的な目安です。解体業者に一括で依頼した場合も、見積書には各項目が個別に記載されることが多いため、内訳を確認することが重要です。

【ブロック塀の撤去】

ブロック塀は1枚(1段)あたり数千円程度の単価で積算されるケースが多く、一般的な家庭のブロック塀(高さ1.5〜2m・長さ10m程度)であれば5〜15万円程度が目安とされています。ただし、高い塀や劣化が激しいものは追加費用がかかることがあります。

【フェンスの撤去】

スチール製・アルミ製・木製によって単価が異なりますが、10〜20mのフェンス撤去で3〜10万円程度が一つの参考値です。基礎部分(コンクリート)の撤去が必要な場合はさらに費用が増えます。

【カーポートの撤去】

1台用カーポートであれば3〜8万円程度、2台用であれば5〜12万円程度が目安とされています。素材(スチール・アルミ)や基礎の状態によって変動します。

【コンクリート土間の撤去】

駐車場や庭に敷設されたコンクリート土間は、厚みや面積によって費用が変わります。厚さ10cm程度・10㎡程度で2〜5万円程度が参考値です。

【物置・プレハブの撤去】

小型の金属製物置であれば2〜5万円程度、大型やコンクリート基礎付きの場合はさらに高くなります。

上記の費用は建物本体の解体と同時に依頼した場合の参考値です。廃材の処分費用が含まれているかどうかも確認してください。

4. 一括発注を選ぶべきケース・別発注が向くケース

解体工事と外構撤去を一括で頼むか、分けて依頼するかは、解体後に土地をどう使うかによって判断が変わります。

【一括発注が向くケース】

①更地にして売却・駐車場として活用する場合

土地を更地の状態にして売却したい、または月極駐車場として貸し出す予定がある場合は、家屋解体と同時に外構もすべて撤去するのが効率的です。外構が残っていると更地として扱われない可能性があり、売却や活用に支障が出ることがあります。

②外構が老朽化していて再利用する見込みがない場合

外構設備が劣化しており、新しく作り直す予定がある場合は、一括撤去が合理的です。古いブロック塀や腐食したフェンスを残しても利用価値は低く、後で撤去費用が再度かかる可能性があります。

③遠方に住んでおり現場立ち会いが難しい場合

相続した実家の解体を管理する場合など、何度も現場に来ることが難しい状況では、窓口を1社に絞ってまとめて対応してもらう方が段取りがシンプルです。

【別発注が向くケース】

①外構の一部を残して活用したい場合

隣地との境界にあるブロック塀を残したい、植栽を生かして庭を整備するつもりがある、などの場合は、撤去範囲を細かく指示できる外構専門業者に依頼する方が精度が高くなります。

②新居の建替えで外構も新しく整備する計画がある場合

解体後に新築を建てる場合、新しい外構工事はハウスメーカーや外構専門業者が担当するケースが多く、旧外構の撤去だけを解体業者に含めて依頼し、新設は別途発注するという分け方になることがあります。

③解体業者が外構撤去に不慣れな場合

解体業者によっては、建物本体の解体は得意でも外構工事の経験が少ない場合があります。見積もり依頼時に実績を確認することをお勧めします。

5. 外構撤去を含む解体工事の段取り:発注前に確認すること

外構撤去を含む解体工事を進める際は、以下の段取りで準備を進めることが重要です。

【ステップ1:撤去対象の確認と境界の確認】

撤去する外構の範囲を自分で整理します。「ブロック塀は撤去する・フェンスは残す」「カーポートは撤去・コンクリート土間は部分的に残す」など、具体的なリストを作っておくと見積もり依頼がスムーズです。また、ブロック塀・フェンスが隣地との境界に接している場合は、境界標の位置と隣地所有者との関係を事前に確認しておきましょう。

【ステップ2:隣地への事前確認(境界ブロック塀・共有フェンスがある場合)】

境界上にあるブロック塀やフェンスは、隣地所有者との共有物である可能性があります。独断で撤去すると隣人トラブルに発展する場合があるため、事前に話し合いをしておくことが重要です。撤去の意向と日程について、工事前に書面または口頭で伝えておきましょう。

【ステップ3:複数業者への見積もり依頼】

解体業者3社程度に相見積もりを依頼し、外構撤去を含めた内訳を確認します。見積書に「外構撤去一式」とまとめて記載されている場合は、内訳の明細化を依頼してください。廃材の処分費が含まれているかも確認します。

【ステップ4:自治体の届出・許可確認】

解体工事に必要な届出(建設リサイクル法に基づく分別解体の事前届出など)は解体業者が対応するケースが多いですが、大規模な外構撤去や道路占用が伴う工事の場合は追加の許可が必要になることがあります。

【ステップ5:インフラの停止確認】

ガス・電気・水道の停止は家屋解体前に完了させることが必要です。外構部分に外灯・散水栓などが設置されている場合は、撤去前に電気・水道の切断を確認してください。

【ステップ6:解体・撤去工事の実施と確認】

工事中および完了時に現場を確認し、指定した外構が正しく撤去されているか、残すべきものが傷ついていないか確認します。

【ステップ7:建物滅失登記】

家屋を解体したら、1か月以内に法務局へ建物滅失登記の申請が必要です(不動産登記法上の義務)。外構の撤去だけであれば滅失登記は不要ですが、家屋本体を解体した場合は忘れずに手続きを進めてください。

6. よくある質問

Q外構撤去費用は解体費用に含まれていますか?

A解体費用の見積もりに外構撤去が含まれるかどうかは業者と見積もり内容によって異なります。「外構一式含む」と記載されている場合でも、カーポートや物置など一部が別途扱いになっているケースがあります。見積書を受け取ったら、撤去範囲を業者に明示してもらい、含まれていない項目がないか確認することをお勧めします。

Qブロック塀の撤去は解体業者に頼めますか?

Aはい、多くの解体業者はブロック塀の撤去に対応しています。ただし、外構専門業者に比べると仕上がりや細かい作業の精度が異なる場合があります。更地にすることが目的であれば解体業者への一括依頼が効率的ですが、境界の扱いや残す部分の仕上げが必要な場合は、外構専門業者への相談も検討してください。

Q隣地との境界にあるブロック塀を撤去したいのですが、問題ありますか?

A境界上のブロック塀は隣地と共有物とみなされる場合があり、一方的に撤去すると民法上のトラブルになる可能性があります。撤去する前に隣地所有者と話し合い、同意を得ておくことが重要です。境界標の位置も確認しておきましょう。

Qカーポートだけ先に撤去して、家屋は後から解体することはできますか?

A可能です。ただし、カーポートだけを先に撤去すると費用が割高になる場合があります。家屋解体の予定が決まっているのであれば、一括で依頼した方が効率的なことが多いです。先行撤去が必要な事情(駐車スペースを早期に確保したいなど)がある場合は業者に相談してください。

Q外構撤去だけを依頼できる業者はどこに頼めばよいですか?

A家屋の解体を伴わない外構撤去だけの場合は、外構専門業者・エクステリア業者・解体業者のいずれにも相談できます。複数社から見積もりを取り、撤去範囲・廃材処理費・工期を比較して選ぶとよいでしょう。

Q解体後の土地に外構が残っていると売却に影響しますか?

A更地売却を想定している場合、外構設備(特に大型のブロック塀・カーポート・コンクリート土間)が残っていると「更地」として扱われないことがあり、売却価格や買い手の判断に影響する可能性があります。売却を予定している場合は、不動産会社に相談しながら撤去範囲を判断することをお勧めします。

Q外構撤去の廃材はどのように処分されますか?

Aブロック塀のコンクリートがら・金属製フェンス・アルミカーポートなどは、産業廃棄物として分別・処分されます。廃材処理費は見積もりに含まれているか確認してください。金属類(アルミ・スチール)は売却できるケースもあり、業者によっては廃材リサイクルで費用が抑えられる場合があります。

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8. まとめ:外構撤去は「更地にするか・残すか」で発注方法を判断しよう

解体工事と外構撤去を一緒に依頼するかどうかは、解体後の土地をどのように活用するかによって判断が変わります。

更地にして売却・活用する場合は、解体業者への一括発注が効率的で費用も抑えやすくなる傾向があります。一方、外構の一部を残して活用したい場合や、仕上がりにこだわりたい場合は、外構専門業者への個別発注も検討に値します。

発注前の確認ポイントをまとめます。

  • 撤去する外構の範囲を具体的にリストアップしておく
  • 境界上のブロック塀・フェンスは隣地との事前確認を行う
  • 複数業者から相見積もりを取り、外構撤去の内訳が明示されているか確認する
  • 廃材処分費が含まれているか確認する
  • インフラ(外灯・散水栓)の切断を事前に手配しておく
  • 外構撤去を含む解体費用の全体像は、現場の状況を見てはじめて正確な金額が分かります。まずは状況を解体業者に相談し、見積もりを取ることから始めてみてください。

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    参考資料

    1. 建築・住宅関係統計データ / 国土交通省

      原典URL: https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jutaku_list.html

      根拠: 国土交通省の建築・住宅関係統計では建物構造別の着工・除却動向が把握できる、木造・非木造別の除却実績が公表されており、解体需要の背景確認に活用できる

    2. 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

      原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

      根拠: 2023年時点の全国の空き家数は900万戸で空き家率は13.8%、老朽化した空き家の増加が外構を含む解体工事需要の背景にある

    監修・著者情報

    空き家先生 川口哲平

    空き家先生 川口哲平(監修)

    全国空き家対策コンソーシアム 代表理事 / 株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO

    空き家先生のX

    経歴

    空き家先生・全国空き家対策コンソーシアム代表理事・クラッソーネCEO。名古屋出身、京都大学卒業後、セキスイハイムを経てクラッソーネを設立。その後、全国空き家対策コンソーシアムを設立。

    著者:クラッソーネ編集部