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埼玉県の郊外にある古い戸建て空き家と解体をイメージした写真

公開:2026-07-15

埼玉の空き家解体費用はいくら?相場と費用を抑えるポイント

埼玉県で空き家の解体を検討する方へ。構造別の坪単価の目安に加え、さいたま市などの都市部と県北部・秩父地域の郊外・山間部での費用・立地条件の違い、東京への通勤圏としての中古住宅需要の特徴、固定資産税や補助金の確認先まで整理します。

1. 埼玉の空き家解体費用、地域によって差が大きいのはなぜか

埼玉県で相続した実家や老朽化した空き家の解体を考えるとき、「坪いくら」という一般的な相場だけでは総額を見通しにくいと感じる方は少なくありません。埼玉県が公表した令和5年(2023年)住宅・土地統計調査の結果によると、県内の空き家率は9.3%で、全国平均13.8%を4.5ポイント下回り、47都道府県の中で最も低い水準です。平成30年(10.2%)と比べても0.9ポイント低下し、空き家数も330,400戸と前回調査から15,800戸減少しています。

ただし、空き家率が全国一低いからといって、埼玉県内どこでも解体が容易というわけではありません。さいたま市や川口市のような都市部と、県北部・秩父地域のような郊外・山間部とでは、空き家の発生要因も立地条件も異なります。また、東京への通勤圏という埼玉の特徴が、中古住宅の需要や解体の判断にも影響します。この記事では、構造別の解体費用の目安を出発点に、埼玉県内の地域差、固定資産税の注意点、自治体の支援制度までを整理します。

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2. 構造別 解体費用の参考目安(編集部の仮定)

建物構造坪単価の目安30坪の場合の概算
木造(W造)3〜5万円/坪程度90〜150万円程度
鉄骨造(S造)4〜6万円/坪程度120〜180万円程度
鉄筋コンクリート造(RC造)5〜8万円/坪程度150〜240万円程度

※ 一般的な戸建てを想定した比較用の参考値です。公的統計から直接算出した単価ではありません。埼玉県内でも郊外・山間部では搬出経路の制約などで費用が変わることがあります。実費は現地調査を踏まえた見積もりで確認してください。(編集部の仮定)

出典:クラッソーネ解体費用シミュレーターの見積もり観点を参考に、一般的な戸建てを想定して編集部が仮定

3. さいたま市などの都市部と、県北部・秩父地域の解体費用・立地条件の違い

埼玉県内の空き家率には大きな地域差があります。市町村別に見ると、空き家率が最も高いのは秩父市の20.2%で、次いで寄居町14.9%、熊谷市14.6%と、県北部・秩父地域で高い傾向にあります。一方、空き家率が最も低いのは志木市5.2%、次いで八潮市5.3%、越谷市6.2%で、都心に近い南部エリアで低くなっています。さいたま市も8.6%と全国平均を大きく下回ります。

この違いは、解体の現場条件にもつながりやすい傾向があります。さいたま市や川口市など都市部の密集市街地では、前面道路が狭く重機が入りにくい住宅も多く、手壊し比率の上昇や近隣への養生費の増加が起きやすい傾向があります。一方、秩父市など郊外・山間部では、建物自体が古いことが費用に影響しやすくなります。秩父市は昭和55年以前(新耐震基準の施行前)に建てられた住宅の割合が30.1%と県内で最も高く、老朽化による構造の脆弱性や、アスベスト含有建材が使われている可能性への配慮が必要になる場合があります。加えて、集落によっては搬出経路が限られ、運搬コストが増加することもあります。いずれの立地でも、現地調査を踏まえた見積もりで実際の条件を確認することが欠かせません。

4. 埼玉県内の地域差(令和5年住宅・土地統計調査 埼玉県分)

空き家率昭和55年以前建築の住宅割合通勤時間の中位数
さいたま市(都市部)8.6%12.2%52.3分
熊谷市(県北部の中核市)14.6%19.8%28.9分
秩父市(郊外・山間部)20.2%30.1%21.0分

空き家率・建築時期別割合・通勤時間の中位数は、いずれも埼玉県が公表した実測値です。

出典:埼玉県「令和5年住宅・土地統計調査結果(埼玉県分)について」を基に編集部作成

5. 東京への通勤圏としての埼玉:中古住宅需要と解体の判断

埼玉県は東京への通勤圏として発展してきた経緯があり、住宅・土地統計調査にもその特徴が表れています。家計を主に支える雇用者の片道通勤時間の中位数は44.0分で、全国平均28.1分を15.9分上回り、都道府県別では神奈川県・千葉県に次ぐ全国3位の長さです。持ち家率は65.1%で全国平均60.9%を上回っており、埼玉県は「東京に通いながら持ち家に住む」世帯が多い地域といえます。総住宅数は355万5,100戸、総世帯数は323万2,900世帯でともに全国5位となっており、平成30年からの増加率も5%前後で伸びが続いています。

こうした通勤圏としての需要は、中古住宅の流通にも影響すると考えられます。駅からの距離が近く都心へのアクセスが良いエリアでは、建物の状態次第で現状のまま売却できる可能性もあり、解体を急ぐ前に売却・買取の可能性を確認する余地があります。一方、駅から離れた立地や老朽化が進んだ戸建ては、買い手のニーズに合いにくく、解体して更地にした方が土地としての流通性が高まる場合もあります。「埼玉だから一律にこうすべき」とは言えず、駅からの距離や周辺の取引状況を踏まえて解体か売却かを判断することが大切です。

6. 解体後の固定資産税に注意する

空き家であっても、建物が建っている土地には固定資産税の「住宅用地特例」が適用され、課税標準が軽減されています。建物を解体して更地にすると、この特例の適用がなくなり、翌年から土地の固定資産税が増える場合があります。さいたま市や川口市など地価の高い都市部ではこの増加額が大きくなりやすく、秩父市など郊外では土地の評価額自体が抑えられている分、増加幅は相対的に小さくなる傾向がありますが、いずれの地域でも「解体後にどれくらいの期間を空けて売却するか」を見込んでおくことが重要です。

なお、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、管理が行き届かず特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けると、住宅用地特例の対象から除外され、税負担が増える場合があります。放置を続けるより、早めに方針を決める方が結果的に負担を抑えやすいといえます。

7. 埼玉県内市町村の解体・除却支援制度を確認する

解体費用の負担を軽くする手段として、県内の市町村には老朽化した危険な空き家の除却を対象にした補助制度を設けているところがあります。制度の有無や名称、対象となる要件(旧耐震基準の木造住宅であること、周辺への危険性が認められることなど)は市町村ごとに異なるため、埼玉県内であっても一律の条件では判断できません。多くの制度は着工前の申請を条件としているため、「解体しよう」と決めた段階で、まずお住まいの市町村の空き家対策窓口や建築・住宅担当課に確認するのが確実な進め方です。補助の対象や申請の順序について、早めに問い合わせておきましょう。

8. 見積もりを取る前に確認しておくこと

埼玉県内で解体をスムーズに進めるため、見積もり依頼の前に次の点を確認しておくと安心です。

  • 所有者・名義の整理:解体後の滅失登記や土地売却を進めるため、相続登記を先行させておくのが実務上安全です(相続登記は2024年4月から義務化)。
  • 境界の確認:隣地との境界標が明確か確認します。都市部の密集地だけでなく、郊外の広い敷地でも境界トラブルを避けるため事前の明示が重要です。
  • アスベストの事前調査:2006年の原則全面禁止以前の建物には石綿含有建材が使われている可能性があります。解体前の事前調査は法令上必要で、含有が判明すると除去費が別途かかります。県北部・秩父地域など古い建物が多いエリアではとくに注意が必要です。
  • インフラの停止:電気・ガス・水道の停止・閉栓手続きは着工前に済ませます。
  • 相見積もり:少なくとも3社程度から内訳を比較し、撤去範囲・廃材処理・工期まで含めて検討しましょう。郊外では対応できる業者が限られる場合もあるため、早めに問い合わせておくと安心です。

9. よくある質問

Q埼玉県の空き家率はどのくらいですか?

A埼玉県によると、令和5年(2023年)住宅・土地統計調査での県内の空き家率は9.3%で、全国平均13.8%を4.5ポイント下回り、全国で最も低い水準です。空き家数は330,400戸で、前回調査から15,800戸減少しています。

Q埼玉県内でも解体費用は地域によって変わりますか?

A一律の相場はありません。さいたま市や川口市など密集市街地では前面道路が狭く手壊し比率が上がりやすい一方、秩父市など郊外・山間部では建物の老朽化やアスベストの可能性、搬出経路の制約が費用に影響しやすい傾向があります。現地調査を踏まえた見積もりで確認してください。

Q秩父地域など郊外の解体は都市部より安くなりますか?

A一概には言えません。郊外は敷地に余裕があり重機を使いやすい面がある一方、建物が古く(秩父市は昭和55年以前建築の住宅割合が県内最高の30.1%)老朽化に伴う追加費用や、搬出距離が長くなることによる運搬費の増加が発生する場合があります。

Q解体すると固定資産税はどうなりますか?

A更地にすると住宅用地特例の適用がなくなり、翌年から土地の固定資産税が増える場合があります。地価の高いさいたま市や川口市などでは増加額が大きくなりやすいため、売却時期と合わせて解体の時期を検討しましょう。

Q埼玉県は東京への通勤圏ですが、解体より売却の方がよいこともありますか?

A駅からの距離や周辺の取引状況によります。埼玉県は家計を主に支える雇用者の通勤時間の中位数が44.0分と全国でも長い地域で、持ち家率も65.1%と高く、通勤圏としての中古住宅需要が一定数あります。建物の状態次第では現状のまま売却できる可能性もあるため、解体を決める前に売却・買取の可能性も確認しておくとよいでしょう。

Q埼玉県内でも解体の補助金はありますか?

A市町村によっては、旧耐震基準の木造住宅など老朽化した危険な空き家の除却に対する補助制度があります。対象条件や申請時期は自治体ごとに異なり、着工前の申請が条件になっていることが多いため、お住まいの市町村の窓口で早めに確認してください。

Q空き家を放置し続けるとどうなりますか?

A管理が行き届かず、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けると、住宅用地特例が解除されて固定資産税が増えることがあります。周辺への影響も生じやすいため、早めに方針を決めることが望まれます。

10. あわせて読みたい関連記事

11. まとめ:埼玉の解体費は「地域差」と「通勤圏需要」を踏まえて判断を

埼玉県の空き家率は9.3%と全国で最も低い水準ですが、県内では都市部と郊外・山間部で解体の条件が大きく異なります。さいたま市や川口市などの密集市街地では狭小地・手壊しによる割増、秩父市など郊外・山間部では建物の老朽化や搬出コストが費用を左右しやすい要因です。加えて、東京への通勤圏という埼玉の特徴から、立地によっては解体より売却・買取の検討も選択肢になります。

解体を決める前に、①現地調査を踏まえた複数社の見積もり比較、②解体後の固定資産税の変化、③お住まいの市町村の除却支援制度の確認、④相続登記など前提手続きの整理、を押さえておきましょう。

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参考資料

  1. 令和5年住宅・土地統計調査結果(埼玉県分)について-空き家数・空き家率は減少、空き家率は全国一低い9.3%- / 埼玉県 / 2024-12-13

    原典URL: https://www.pref.saitama.lg.jp/a0206/news/page/news2024121301.html

    根拠: 埼玉県の空き家率は9.3%で、全国平均13.8%を4.5ポイント下回り全国で最も低い、空き家数は330,400戸で、平成30年と比べ15,800戸減少している、市町村別の空き家率は秩父市20.2%が最も高く、志木市5.2%が最も低いなど地域差が大きい、秩父市は昭和55年以前に建てられた住宅の割合が30.1%で県内最高となっている、家計を主に支える雇用者の通勤時間の中位数は44.0分で、全国平均28.1分を上回り全国3位の長さ、持ち家率は65.1%で全国平均60.9%を上回っている

  2. 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

    原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

    根拠: 2023年の全国の空き家数は約900万戸(9,001,600戸)、空き家率は13.8%

  3. 地方税法 / e-Gov法令検索

    原典URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226

    根拠: 住宅用地には固定資産税の課税標準を軽減する住宅用地特例があり、建物を除却すると適用外となる場合がある

  4. 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報 / 国土交通省

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html

    根拠: 空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けると住宅用地特例の対象から除外される場合がある

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

空き家先生 川口哲平(監修)

全国空き家対策コンソーシアム 代表理事 / 株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO

空き家先生のX

経歴

空き家先生・全国空き家対策コンソーシアム代表理事・クラッソーネCEO。名古屋出身、京都大学卒業後、セキスイハイムを経てクラッソーネを設立。その後、全国空き家対策コンソーシアムを設立。

著者:クラッソーネ編集部