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コラム一覧/北海道の空き家処分|積雪地特有のコストと売却・買取・解体の選び方
積雪のある北海道の住宅地にある空き家と処分方法を検討するイメージ

公開:2026-07-15更新:2026-09-02

北海道の空き家処分|積雪地特有のコストと売却・買取・解体の選び方

北海道の空き家率は15.6%で全国平均を上回ります。積雪による建物の傷みや除雪・雪囲いなど積雪地特有の管理コストを踏まえ、売却・買取・解体・賃貸活用のどれが自分の状況に合うかを比較し、判断の進め方を整理します。

1北海道で空き家を「どう処分するか」に迷っている方へ

相続した北海道の実家や、長く使っていない空き家を前に、「売るのか、貸すのか、解体するのか決められない」という声は少なくありません。北海道によると、2023年(令和5年)10月1日時点で道内の空き家は約45万戸[1]にのぼり、空き家率は15.6%[1]と全国平均の13.8%[2]を上回っています。北海道は本州以南に比べて積雪や寒冷といった気候条件が加わるほか、札幌市などの都市部と、道東・道北をはじめとする広大で人口減少が進む地方部とで、空き家をとりまく事情が大きく異なる点も特徴です。この記事では、北海道で空き家を処分する主な選択肢を費用・手間・リスクで比較し、状況別にどう進めればよいかを整理します。

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2北海道の空き家処分:選択肢別の特徴

方法向いているケース注意点
仲介で売却札幌市など需要のあるエリアで、時間をかけても高く売りたい売れるまで維持費・除雪費が続く。価格交渉や内覧対応が必要
買取で売却早く現金化したい、老朽化や積雪による損傷がある、土地が広く仲介で反響が少ない仲介より価格は低めになりやすい。複数社比較が重要
解体して土地を売る・活用建物の価値がなく、更地の方が売りやすい立地解体費が先行。積雪期は着工時期の調整が必要になる場合がある。更地化で住宅用地特例が外れ税増の可能性
賃貸・活用移住・二地域居住などの需要があり、修繕して貸せる状態にできる修繕費・空室リスクに加え、除雪や雪囲いなど積雪地域特有の管理の手間
保有して管理継続当面は手放せない事情がある固定資産税・除雪費等の管理費が続き、積雪による老朽化リスクも進みやすい

※ 費用・期間・向き不向きは物件の立地・状態・権利関係・積雪状況により異なります。個別の判断は専門家に相談してください。

出典:北海道の空き家状況(北海道 空き家対策ページ)を参照し、各処分方法の一般的な特徴を編集部がまとめた比較表

3北海道の空き家の現状をどう読むか

北海道の空き家率15.6%[1]は、全国平均の13.8%[2]を上回る水準です。積雪寒冷地であることに加え、道内でも地域差が大きい点が北海道の特徴です。札幌市など都市部では一定の住宅需要があり、仲介や買取での流通が期待しやすい一方、道東・道北をはじめとする地方部では人口減少や高齢化が進み、買い手そのものを見つけにくいケースが少なくないと考えられます。

また北海道は区画が広い土地に建物が建っているケースが多く、建物だけでなく広い土地の管理・処分も合わせて考える必要があります。広い土地は取得後の固定資産税や管理の負担も大きくなりやすいため、買い手にとって購入のハードルが上がり、都府県の平均的な宅地に比べて売却までに時間がかかりやすい傾向があると考えられます。「北海道だから一律にこの方法がよい」とは言えず、立地・土地面積・建物の状態を踏まえて選択肢を検討することが大切です。

4積雪寒冷地特有の解体・管理コストに注意

北海道のように積雪が多い地域では、屋根や外壁に雪の重みや融雪・凍結の繰り返しによる負荷がかかりやすく、人の出入りがない空き家では被害が発見されないまま老朽化が進行しやすい点に注意が必要です。屋根の雪下ろしや敷地内の除雪を行う人がいなくなると、木部の腐食や屋根材の破損が進むスピードが早まる可能性があります。

解体を検討する場合も、積雪期は足場の設置や重機の搬入に制約が生じやすく、着工時期を積雪の少ない時期に調整する解体業者が多く見られます。見積もりを取る際は、積雪期と非積雪期で費用や工期がどう変わるかを事前に確認しておくと安心です。

管理を継続する場合も、除雪・雪囲い・水道管の凍結防止など、積雪地域特有の管理項目が加わるため、本州の空き家に比べて維持の手間が増えやすい点を踏まえて判断する必要があります。管理を人に頼む場合は、積雪期の対応可否や追加費用の有無を事前に確認しておきましょう。

5処分の前提になる「名義」と「相続人の合意」

どの処分方法を選ぶにしても、まず整えておきたいのが名義と権利関係です。相続した空き家の名義が亡くなった親のままでは、売却も解体も進められません。相続登記は2024年4月[3]から義務化され、取得を知った日から3年以内[3]の申請が必要になりました。過去の相続にも遡って適用されるため、長く名義を放置してきた場合も早めの対応が求められます。

また、相続人が複数いる場合、空き家は相続開始と同時に共有状態になります。民法上、共有不動産の売却・解体といった変更行為には原則として共有者全員の同意が必要です。一人でも反対すると手続きが進まないため、処分の方向性は早い段階で相続人全員で話し合っておきましょう。話し合いがまとまらないときは、司法書士・弁護士など専門家に相談するのが安全です。

6状況別:北海道の空き家をどう選ぶか

選択肢の絞り込みは、物件の状態・立地・急ぎ具合で考えると整理しやすくなります。

  • 早く手放したい/老朽化や雪害による傷みが進んでいる:買取や、解体して更地で売る方法が候補です。買取は現金化が早い一方、価格は仲介より低めになりやすいため複数社を比較します。
  • 札幌市など都市部で立地がよく時間をかけられる:仲介での売却で、より高い価格を狙う余地があります。建物に価値が残るなら現状のまま売れることもあります。
  • 土地が広く、道東・道北など人口減少が進む地方部にある:仲介だけでは反響を集めにくいことがあります。買取に加え、国土交通省が案内する全国版空き家・空き地バンクへの登録も選択肢になります。すでに仲介に出していて動きがない場合は、空き家が売れないときの次の一手を整理した記事も参考にしてください(空き家が売れない…どうしたら?仲介で動かない物件の次の一手)。
  • 建物の価値がなく更地の方が売りやすい:解体を検討します。積雪期は着工時期の調整が必要になる場合があるため、見積もり時期も含めて業者に相談します。また更地化で固定資産税が上がる可能性があるため、売却の見込み時期と合わせて判断します。

7よくある質問

Q1北海道の空き家率はどのくらいですか?
A

北海道によると、2023年(令和5年)10月1日時点で道内の空き家は約45万戸[1]、空き家率は15.6%[1]で、全国平均の13.8%[2]を上回っています。

Q2積雪地域の空き家は解体費用が高くなりますか?
A

積雪期は足場の設置や重機の搬入に制約が生じやすく、着工時期を積雪の少ない時期に調整する解体業者が多く見られます。費用や工期が積雪期と非積雪期で変わる場合があるため、見積もり時に確認することをおすすめします。

Q3北海道は土地が広い空き家が多いと聞きましたが、売れにくいのでしょうか?
A

建物と合わせて広い土地がある場合、買い手にとって取得後の管理・税負担が大きくなりやすく、都府県の平均的な宅地に比べて売却までに時間がかかりやすい傾向があると考えられます。仲介で反響が少ない場合は、買取や空き家・空き地バンクの活用も検討してください。

Q4空き家バンクは北海道でも使えますか?
A

国土交通省が案内する全国版空き家・空き地バンクでは、自治体を横断して物件情報を確認できます。北海道内の各自治体でも独自の空き家バンクを運用している場合があるため、あわせて確認するとよいでしょう。

Q5空き家は売却と買取のどちらがよいですか?
A

時間をかけても高く売りたいなら仲介、早く現金化したい・老朽化や積雪による損傷がある・土地が広く仲介で反響が少ないなら買取が向く傾向があります。買取は仲介より価格が低めになりやすいため、複数社で査定を比較してください。

Q6相続人が複数いる北海道の実家を処分するには?
A

共有不動産の売却・解体には原則として共有者全員の同意が必要です。誰が取得するか、売って分けるかなどを遺産分割協議で話し合い、合意内容を書面にまとめます。まとまらない場合は専門家への相談をお勧めします。

Q7名義が親のままでも売れますか?
A

名義が被相続人のままでは売却・解体の手続きが進みません。相続登記は2024年4月[3]から義務化されており、まず名義の整理を済ませることが処分の前提になります。

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9まとめ:北海道の空き家処分は「名義整理」と「積雪・広さを踏まえた選択」から

北海道の空き家率は15.6%[1]と全国平均を上回り、積雪寒冷地特有の管理・解体の手間や、都市部と地方部の需要差から、処分に迷ったまま抱えている世帯は少なくありません。処分方法は仲介売却・買取・解体・賃貸活用・保有継続と複数あり、最適解は物件の立地・状態・土地面積・家族の事情によって変わります。

まず取り組むべきは、①相続登記など名義の整理(2024年4月[3]から義務化)、②相続人が複数なら全員での合意形成、③積雪期の解体・管理コストや土地の広さも踏まえた選択肢の絞り込みです。判断に迷うときは、査定・解体見積もり・処分相談をまとめて受けられる窓口を活用し、費用と手取り、そして手間の両面から比較して決めることをお勧めします。

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参考資料

  1. [1] 北海道の空き家対策 / 北海道 建設部住宅局建築指導課

    原典URL: https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kn/ksd/akiyataisaku.html

    根拠: 北海道の空き家数は約45万戸で、空き家率は15.6%と全国平均(13.8%)を上回る

  2. [2] 令和5年住宅・土地統計調査 / 総務省統計局 / 2024-04-30

    原典URL: https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html

    根拠: 2023年の全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%

  3. 空き家・空き地バンク総合情報ページ / 国土交通省

    原典URL: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000131.html

    根拠: 全国版空き家・空き地バンクを使うと、自治体を横断して物件情報を確認できる

  4. [3] 相続登記の申請義務化について / 法務省

    原典URL: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html

    根拠: 2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要

  5. 民法 / e-Gov法令検索

    原典URL: https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

    根拠: 共有不動産の売却・解体などの変更行為には、原則として共有者全員の同意が必要

監修・著者情報

空き家先生 川口哲平

愛知県名古屋市出身。現在は鹿児島県屋久島町在住。京都大学農学部卒業後、セキスイハイム中部株式会社で住宅営業に従事し、最優秀営業賞を受賞。2011年に株式会社クラッソーネを創業し、代表取締役CEOに就任。解体工事のDXや空き家問題の解決に取り組むとともに、全国空き家対策コンソーシアム代表理事として、自治体や企業と連携した空き家対策を推進している。

著者:クラッソーネ(別ウィンドウで開きます)編集部